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Vol.05
セントマーチンズ・グラフィック科2年生展示会 先日、6月28日から7月2日まで、セントマーチンズ・グラフィック科2年生の展示会がロンドン市内で開催され、あいにくの雨空にも関わらず、例年通り多くの来場者で賑わいました。
皆さんはこの展示会へ足を運ばれたでしょうか。あいにく会場へ足を運べなかった方も、来場された方も、実際にセントマーチンズへ通う生徒が何に影響を受け、そして何になる事を夢見て日々製作に励んでいるのか気になるのではないでしょか。
そこで今回は、会場内で国籍も考え方も異なるグラフィック科2年生以下5名をキャッチし、インタビューをして参りました。ちょっとだけスペシャルな今月号、写真と照らし合わせながらじっくりとお楽しみ下さい!

トニー君
(フィンランド・ヘルシンキ出身)
Q: 作品を作る上でどんなものに影響を受ける?
A: 僕は日本のグラフィックトイが大好きで、そういうものから良く影響を受けて
いるよ。あとは映画かな。ルオカラ・ロッキというフィンランドで有名な映画監督がいて、彼の映画にも影響を受けているんだ。フィンランドの映画は面白いと思うよ。
あと親が家具好きで、僕の実家にはフィンランド製の家具が沢山置いてあるんだ。そういう環境からも直接的ではないけど、何かしら影響を受けているかもね。
Q:この作品はかなり大きいけど、今回このように巨大なソフトトイを作った理由は?
A:わからない。ただ思いつきで作ってみたんだ。友達が手伝ってくれたけど、やっぱり工場のようにはうまく作れないね。
Q:セントマーチンでの学生生活を君はどう感じている?
A:この学校は僕にとって家みたいなもの!とても自由な校風だと思うし、その雰囲気は僕に合っていると思う。とても居心地の良い学校だよ。
Q:将来の夢は?
A:フィンランドに戻って、有名グラフィックデザイナーになる事!

スンベ 君 (韓国 ソウル出身)
Q:いつ頃から絵を描くようになったの?
A:僕は小さい頃から画材に囲まれて育ったんだ。というのも母親がソウルで画材屋を経営していてね。そんな環境だから僕はタダで質の良い紙やペンを母親からもらうことが出来た。だから生まれた時からとにかく沢山色んなものを描いていたよ。
Q:影響を受ける作家とか居る?
A:僕はとにかくリアルな描写の絵が好きなんだ。ミケランジェロの肉体や骨の描写にはかなり影響を受けているよ。それとアメリカのコミックや、日本の漫画は小さい頃から読んでいて、その影響も大きいし、アクション映画もアイデアの一部になっているよ。
Q:どうしてセントマーチンへ入学したの?
A:僕は以前デザイン会社に勤務していたんだけど、仕事をしている内にプロフェッショナルな作品に飽きてしまって。それで何か新鮮な刺激を受けるためにこの学校への入学を決めたんだ。
Q:将来の夢は?
A:ミケランジェロのような、対象物を物凄くリアルに、そして正確に描ける画家になりたい。身近な目標だとこの学校を卒業したらRCA(Royal College of Art)へ進学したい。

クレイグ
(イギリス・リバプール出身)
Q:製作する上で影響を受けた作家とか居る?
A:沢山居るよ。中でもデビット・ホックニーとイゴン・シーラには影響を受けた。
彼らは本当に偉大なアーティストだと思うね。
Q;どうしてロンドンへ来たの?イギリス国内でもリバプールとロンドンでは違いを感じる?
A:リバプールはイギリスの中でも都会な方だけど、僕はこの学校に来る前に何度かロンドンを訪れていて、ロンドンはもっと刺激的だって感じたんだ。様々な国から色んな人がロンドンに来るし、ギャラリーも沢山あるよね。僕の家族はあまり旅行をする方ではなかったから、以前はリバプール以外をあまり知らなかったけど、今こうしてロンドンで様々な刺激を受けている事に満足しているよ。この街へ来て正解だったと思う。
Q:セントマーチンをどう思う?
A:とても自由な学校だと思うよ。先生も面白い人が多いけど、なにより生徒がとても面白いと思う。彼らの作品へのアイデアはとても良いと思うし、刺激的だね。この学校でそういう友人に出会えて幸せだよ。
Q:将来の夢は?
A:まだはっきり決まっていないんだ。とりあえずこの学校を卒業したらRCA(Royal College of Art)へ進学して、それから将来について考えたいな。

クリス
(アイルランド・ダブリン出身)
Q:まず今回の作品について聞かせてください。このポスターはヘルベチカって書いてあるけど、この書体はヘルベチカではないよね。
A:そう、ヘルベチカではなくて、タイムズという書体だよ。
Q:面白いね。それではどうしてタイムズという書体でヘルベチカって書いたの?
A:ヘルベチカは今最も有名な書体で、多くのグラフィックデザイナーがパッケージや会社のロゴ、ポスター等様々な媒体で頻繁に使用している。確かにヘルベチカの書体は美しいと思うけど、この現状に少し飽き飽きしていてね。だからヘルベチカを違った方面からシンプルにアプローチしたかったんだ。
Q:セントマーチンについてどう思う?学生生活は満足している?
A:いや、満足していないよ。学費が高いのに学生サポートが十分だとは思えないね。
それでも多くの学生がこの学校を選ぶのは、結局知名度があるからなんだ。
Q:セントマーチンを選んだ理由は?
A:入学する前に、ロンドン市内の著名な美術学校をいくつか回ったんだけど、この学校が一番色々試せると感じたから。デザインをやりながら、アニメーションとか写真を同時に学べるのはこの学校だけだと思った。デザインって言ったって、色々な要素があるからね。
Q:将来の夢は?
A:僕は一つの事に固執したくないんだ。だから様々なデザインに挑戦したい。Tシャツデザインやポスターは勿論、それにアニメーションも作りたいね。それらを一括して担うデザイン事務所に入りたい。

クレラさん
(フランス・パリ出身)
Q:まず今回の作品について色々聞かせてもらえますか?
A:デザインを学んでいるけどデジタルなものはあまり好きではないから、作品は基本的にハンドメイドよ。本とかポスターのように、プリントして最終的にパソコンで仕上げなければならない事もあるけど、それでも常に手作り感は残しているの。パソコンは私にとって最終的な手段でしかないわ。
Q:君はフランス出身だけど、フランス人とイギリス人では大分芸術に対して考え方が違うと思う。君の作品はフランス文化に影響を受けていると思う?
A:そこまで影響は受けていないと思うわ。私はとにかく何か新しいことに挑戦したい。だからフランスらしい、とかイギリスらしいものではなく、とにかく自分らしいものを目指して作業しているの。
Q:どんなものからインスピレーションを得る?
A:ファインアートやイラストは勿論、タイポからも影響を受けているわ。それと女性らしい手作りの作品も好きで、そういうものからも影響を受けるわね。
Q:セントマーチンについてはどう思いますか?
A:とても楽しい学校だと思う!私はこの学校へ入る前にパリの美術学校に居たんだけど、そこでは作品をどう作るか、という様な技術しか教わらなかったの。セントマーチンズは作品の質というより製作をする上でのアイデアに重点を置いていて、とても創造的だし刺激的だと思う。勿論この学校に居て幸せに感じていない生徒が居る事も知っているわ。その要因の多くは先生が進んで生徒に技術を教えてくれないからだと思うけど、とにかく先生が技術を教えない分、生徒自身がしっかり独立していなければならないと思うの。さもなければ居場所を失ってしまうと思うわ。
Q:将来どのようになりたいですか?
A:この学校を卒業したらRCA(Royal College of Art)へ進学したいの。その後は小さなデザイン会社に入って、今も続けているフリーランスの仕事と両立させていきたいわ。

忙しい中、インタビューを快諾して下さった5名の皆さん、どうもありがとうございました。彼らとは学校で良くしゃべる仲ですが、今回のインタビューを通して彼らがこの学校へと辿り着いた背景や、作品に込める想い、将来の夢等を更に踏み入って聞くことができました。読者の皆さんも参考になったでしょうか。今回のご意見等をお待ちしております。
宛先→takasuke@block-mag.com
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